各人の物語

最終電車を待つ陣列に、今しがた別れを惜しむかのように 改札口で戯れてる「組」の彼が、青っちの右横に並ぶ。 帽子の下からその彼を覗くと、対面ホームに居る彼女へ 満面な笑みと、アイコンタクトを送っている。 そんな彼を無視するかのように、彼女は現実の「時間」へ 一気に帰って行くようだ。そう、彼が見えているにもかか わらず。 電車内では、楽しいお喋りを展開する彼女らを壮年等が 「良し」とせず、睨みを利かせるが、彼女らにすれば何の その。 お疲れモードで車内に座り込む「女性」を観るのは辛い。 色んな彼女らが今日という「日」を如何様に楽しんだか、 少なからず見えてしまう。 本日で3回目となる「西武新宿線」、乗車機会が少ない くせに、車内の窓から映る町並みや線路での人の待ち 方を観ながら、「南海高野線」とダブって見えるのは青だ けか。 高田馬場での乗り換え時、階段付近で重たそうな荷物 を引きずってるお婆ちゃんを見て、その荷物を抱えて一 緒に歩く。 「馬場はお年寄りには厳しいよね」 お婆ちゃんと「ハモって」しまう。可愛いお婆ちゃんだ。 まだまだ、改良点が多々あるよね、メトロになっても! 障害者の方々やお年寄りには厳しいというか、「乗るな」 よっていう「つくり」は、人間工学の見地からも許し難い。 駅員さんもお疲れモード、「住みよい街づくり」と掲げなが ら、本当に過ごせるのか、色んな「疑問符」が青っちの中 で貼られていく。 最寄りの駅に着く頃、老夫婦がペアとなる「スティック」を 片手にし、眼で合図を送る。 「あんたぁー、着いたよ」 「あぁー、着いたぁ、着いたぁ」と、聞こえるような気がした。 世知がない都会の街に若者等にまぎれながら改札を出る 老夫婦に今日の「一番星」を感じた。
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