自転車の後席

幼少期、青は、ほぼ毎日のように祖父宅へ遊びに行っては、一緒にお風呂へ。陽がおちる頃合いを見計らって、祖父は青を三河屋さん仕様の自転車に乗せて、時折立ち止まって鉄道の走り往く姿や、色んな話をしながら家路に着く。 もうこの辺で、と祖父の言葉をかき消すように「もうちょっと」と、青は祖父をいつの間にか自宅玄関まで連れてきてた。2004.07.24のドラマは、自転車がターニングポイントに。 前半までの「セチュらぶ」。 謙太郎の朔への頼みは、かつて心から愛し合っていた方の墓から骨を盗んで欲しい、と云うモノだった。そして、自分が亡くなった時、その方の骨と自分の骨を混ぜて撒いて欲しい。と、高校生の朔が頼まれたって頷けるはずもないんだが、朔の気持ちが変わる事件が起きちゃう。 校内で学級委員の安浦が亜紀の唇を奪うのを目のまで見てしまう。大好きな人を、持ってかれることの悔しさを知って、朔は、謙太郎が今も尚、思いを寄せる女性への気持ちを叶える手伝いをしたくなったんだろうなぁー。龍之介が朔にした「キス」は、最近じゃぁ観れない良いシーンだよね!「何の意味があんのよ、こんなキスに!」って台詞、青春だね。 愛しぬいた人の粉骨を愛しそうに触り、拳の中へギュッと握りしめ、そぉーっと自分の頬に当てる謙太郎。ぐっと来る名演技!「杉さまって」じゃなく、「仲代さまぁー」って云わないかな。何かにつけ、誰かの為に頑張ってる亜紀。朔に「そのままでいい」って云われた事で、涙した気持ちも理解できる方々が多く居るかと。 「口内炎が3つも出来てるの」と云い、その言葉が終わるか終わらぬかのところで強引にキスする朔。朔の目が良いよね。亜紀が秘密の場所として大切にしている紫陽花の咲く丘でのキスシーンは、映像的にも美しく、紫陽花のうんちくが、まるで「冬ソナ」のポラリス場面に重なった感を持つ青。でも、ポラリスでない紫陽花。現在の朔(緒形直人さん)が同じ場所を訪れた際、17年前はピンクだった紫陽花が一面ブルーの紫陽花に変わってると。何とも切ないっちゃぁーね。番組では、時の流れ、土壌の変化…それらが亜紀の居ない証明しているようだ。 謙太郎と愛した人の骨を混ぜて撒く、という約束を実行しようとするが、撒く場所を探すうちに朔は怖くなる。遂には、亜紀へ「骨をなくした」って、嘘をついてしまう朔。本当は怖くなって、骨を隠してたと正直に朔が打ち明けても、亜紀は怒るでもなく「良かった…あって」と微笑む。心根が良いよね!(^_^)v 1人で自転車に乗った朔が、ペダルの軽さに気付き、そこで大好きだった謙太郎を失った事を実感する。胸キュンモンだ。大切な人を失ったという事実を、その人の葬儀や火葬された骨で感じるのではなく、いつもそこに居たのに、今は居ない、というのを実感として感じるのが、朔の場合ペダルの軽さだったわけだ。初めて涙が溢れる現実、失ったモノが自分の中で如何に大きかったかという認識。涙と共に溢れて来るのは、謙太郎の思い出で…。 そんな朔に、「私、太るよ」「おじいちゃんと同じ位になって、後ろに乗るよ」と云い、かつて謙太郎が幼い朔に向ってそうしたように、両手を大きく拡げ、優しく微笑み、その大きく、温かく、亜紀の優しい両手に包まれる朔。現在の朔(緒形直人さん)が、明希(桜井幸子さん)に抱きしめてもらう…、何とも云えない表情で泣いている。哀しいな。謙太郎と女性の骨は、嘗て謙太郎が出征した駅で撒かれた。亜紀が朔に話しかけ、朔が答える瞬間に、突然の風…。 あの風をも、謙太郎の優しさだと青は思いたい。謙太郎を失った喪失感は、亜紀が埋めてくれるかもしれない。だが、その亜紀を失ったら朔は、…と思うと、本当に苦しっちゃ。でも、亜紀の鼻血・目眩と、弥々来たか・・・って感じだね。自転車の「後席」に乗るケースと、その逆、朔のように、祖父を後席に乗せる。今の青は、朔のように出来ない。何しろ、大好きだった祖父がもうこの世に居ない。初孫らしく、青が青で居るためにも、生き抜くことが、とっても大切なんじゃないかと。 その姿を、父も又見るであろう! ~ 宜しかったら、人気blogランキングへ 応援を ! ~
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