エンジン全開

社長さんが、蘇生され往く姿は、いつになく見応えがある。 再建屋としてこれまで仕事をしてきた中で会得した、これだけは 伝えたい「鉄則」がある。この鉄則をきっちりと理解、実践できて いる方の口から「不況」「不景気」と云う言葉が出ることは、まず ない。また、頭で理解できていても、実際の現場に活かされて ない方々も多い。「こんなことは当たり前だ」と言い捨てず、しっ かりと自分のものにしてほしい。 必ず売れる四原則 その1 ●売れない理由がすぐわかる! まず、モノを売りたい時、必ずおさえておかなければならない四つ のツボがこれだ。 「お客が買いたいものを、買いたい値段で、買いたいときに、買い たい方法で売れ」 この大原則は、極めて正しく、非常にわかりやすい。 お客様が「ほしい商品」を「ほしい時」に「ほしい価格」で買えるよ うにすれば、モノは必ず売れる、というものだ。 この四点をチェックするだけで、なぜ売れるのか売れないのかが たちどころにわかってしまうのだから、活かさない手はない。 たとえば、度々価格競争に突入してしまったとする。 こうなったら、ライバルと同じ土俵で争いをやっていてもダメだ。 では、どうするか?「価格以外」のところで競争すればいい。 例えばライバル店が午後八時閉店であれば、青ならクライアント には、十二時閉店をお勧めする。 四原則でいうところの買いたい「もの」と「価格」に差がないなら、 「買いたいとき」で巻き返しを図るというわけだ。 要はお客様が「ほしがっている商品」を「納得できる価格」「好き な時間」「好きな方法」で買っていただく、答えは常に、この中に ある。 どんなに不景気な世の中でも、この四点が交差したところでは モノは必ず売れている。 そんなことかと思われるかも知れないが、コンビニ等は、24時間 「好きな時間」に買い物ができ、距離的な制約をなくすことであれ だけ大きなマーケットを創り上げたのだから。 ●「原価派遣」で突破口を! 派遣労働者は全国で何百万人ともいわれている。派遣先件数、 年間売上高も上昇し続けており、市場自体はまだ成長している といえる。 人材派遣は大がかりな設備や在庫をかかえる必要がない。そう いう業態の手軽さから、人材ビジネスに参入しようとする者たち は後を絶たず、派遣業自体も拡大傾向にあるといえる。しかし、 その実情をよく見てみると、少しずつ内部変化が進行しつつある。 つまり、成長している企業があれば、縮小している企業もあり、 中でも専門性の高い分野が高い伸びを示すなど、様々な淘汰は むしろ強まる傾向にある。 次のケースは、そんな派遣業界の中に飛び込んだ女性経営者二 人の奮闘である。激しい顧客獲得合戦がつねに繰り広げられるこ の業界で、しかも創業間もない新米社長である彼女達がどうやっ て経営を軌道にのせたかについて。代表は40歳過ぎの女性と、 30歳過ぎの女性の二人だった。 小資本の上、顧客獲得のベースもなく、まったくの独立系で、とに かくないない尽くし、当初の売上も月次でわずか150万円ほどとい うありさま。 大手人材派遣会社を向こうに回して、この小さな会社が互角に戦 うためには、特別な仕掛けが必要になる。それが、「地元の人材 を地元企業に売り込むことに徹する」という作戦だった。 そのためにはまず、他社との差別化を図るため「思い切って原価 に極めて近い料金体制でいきましょう」と提案。 この料金なら顧客はもちろん、派遣される側も近所の会社に勤め るのなら、交通費も洋服代も靴代も少なくてすむうえ、昼食も自宅 でとれば安上がり。彼女等にとっても嬉しいことではないか、そう 考えたのだ。 そこで時給1100円で交通費込みという条件で、地元で登録スタッ フを募集してみたところ、読みは当たり、かなりの応募を得ること ができた。しかも通常より優秀なスタッフがより多く集まった。 現実問題として、本来なら経理事務をバリバリこなせる女性が、 地元で働きたいために時給700円~800円で商品組立作業の パートをしていたりすることは珍しくない。 こうした埋もれた人材に交通費込みで時給1100円の条件を呈示し たのだから、人が集まってくるのはある意味、当然のことといえる。 売値、すなわち派遣先への請求も一時間あたり1400円以下となる ため、企業も大喜び。この「地元密着型」への切り替えによって、 異例の「低価格派遣料金表」が誕生した。 まだ派遣法が改正になる前のことだが、彼女等だけで会社を始め た時点での派遣料金はもっと高く設定していたため、「この派遣料 金で行こう」と明示した時は「エッ」と驚いていた。 派遣会社にしてみれば、一時間「300円」の違いは大変大きな差だ。 一日で計算すると2400円、派遣社員一人だけでも1ヶ月5万円位の 違いになってくる。それを思えばこの料金体系へのシフトは確かに 勇気がいっただろう。 また、常識的に考えると、人は都会にこそ仕事はたくさんあるはず だと思いこみがちだ。ところが、むしろ「地元にこだわった展開」をす るほうが、小さな会社には利があることが少なくない。 この他、営業面でも色々と工夫を重ね、実行した結果、彼女等は、 年間3000万円の経常利益を出すことに成功した。 当初はわずか5社だった取引先も、現時点(当時)では、既に契約を 頂いているものを含めると200社にのぼっていたと記憶している。 このケースを先に述べた四原則にあてはめると、 「お客様の買いたいもの=地元の優秀な人材」を 「買いたい値段=時給1400円以下」で、売ったため大変な反響を 得たということになる。さらに「買いたい時」に備えて営業面でいく つかの工夫をした。こうして一見複雑に見えるビジネスも、四原則 に当てはめてみることで売れなかった要因を簡単に取り除くことが できるっちゃね。
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です