ビジネス書よりも、

先月まで、各紙において、新刊の案内が毎日のように目まぐるしく、時には、考え抜かれた手法で販売に寄与されていた。ここ数日は、嵐の前の…か、今年はここまでか。色んな分野から、「勝ちゆくビジネス論」が刊行された年でもあった。

そんな中、毎日というリアルな空間には、やはり必然的要素がある新聞。 経済新聞の中の「スポーツ欄」は、青っちにとって格好な「場」を深々と感じさせて貰える。

記事について多く語るもなにも、『成長』するための『根っこ』が、素直に記されている。

女子プロ充実の1年

今年の女子ゴルフは年明けのW杯での宮里藍、北田瑠衣さんの活躍での一気に注目が増した。樋口久子さんに続く岡本綾子さんの世界殿堂入りといううれしいニュースもあり、世界を舞台に夢見る選手に勇気を与えた。

「2位コレクター」と呼ばれた表純子さんの初優勝は、キャディーとして支えているだんな様にも頭が下がり、感動を誘った。若手が急成長。最終戦までファンの興味は尽きなかったが。

宮里さんを迎え6年連続賞金女王に輝いた不動裕理さんはさすがと思わせた。彼女には、時代の流れが激しい中でも自分を見失わず、また他人に惑わされることもなく、愚直とも言える生き方を感じる。

ふだんはほのぼのとしているのに、クラブを握れば「仕事師」に変身する。練習場で「シュパッ」と球をクリーンにとれえるインパクト音を聞くだけでもひと味違い、他を寄せ付けない職人の雰囲気がある。

仕事としてゴルフを選んだ覚悟とでもいおうか。気構え、取り組み方はプロらしさを強烈に感じさせる。体調管理もしっかりしているから病気もせず、故障もしない。永久シード選手となり燃え尽き症候群に陥っても不思議ではないのに、いろんな感情を押し込めて目の前の1打に向き合っている。

毎年、シーズンを通じて波もなく活躍することは凡人にはできない。向かうところ敵なしといった感じがあるのに、自分のゴルフがまだまだ完成していないという気持ちがあって、素直にコースから学び、いろんな技術を吸収している。

ウエッジを開き、手首を効かせて打つなど、アプローチのバリエーションも増えた。精神的な強さといい、向上心の魂だ。宮里さんが大きく育ったのも、猛練習で鍛え上げた不動さんという良き先輩、手本がいたからだ。

前向きで明るい性格の宮里さんはソレンスタムやウェブ、クリーマーウッズといった世界のトップと一緒に回る機会を全く無駄にしない。貪欲にエッセンスを吸収し、自信を膨らませている。チャレンジ精神も旺盛だ。

米ツアー1次予選会2位通過の勢いを日本女子オープンの制覇につなげたが、それも通過点にすぎないという。昨年から米ツワーを見据えて自ら課題を与え、技術を磨いてきた。100ヤード以内からは全部1パットで、とでもいうようにバーディーやパーを拾う技術、集中力は目を見張るものがある。

彼女を取り巻くいろいろなものが血となり肉となっている。注目を集めた女子プロ界。来季は試合数も増えるという。空前の女子プロ人気をこのままブームで終わらせてはいけない。

大げさな言い方だが、毎試合、死に物狂いで戦ってこそ明日がある。老婆心ながら、みんながそれぞれ自分の生き方を追求し、燃え尽きてほしいと願う。

(日経新聞-2005.12.6(火)付.41面-プロゴルファー・森口祐子さんのスポートピアより)

素直と貪欲にエッセンスを吸収し、自信を膨らませ、チャレンジ精神も旺盛。

その答は、

成長の基軸そのものだ。

森口プロの記事は、毎回新鮮でいてきちんと「人」に注視され綴れれている。高価で分厚いビジネス書を選択する前に、日々手にする新聞にも、財の原石がすんでることを忘れることこそ勿体ないよね。

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