良書より、

かなりの冷え込みとなる。近隣にご不幸が生じた一報が入ってくる。脳梗塞だったとのこと。情報が錯綜してて、ご婦人等の井戸端会議が発展系に伸びている。急遽予定を変更し、資料調査に時間をまわしながら、九十三年(岩波文庫)「」の「」を読み終える。何度読んでも考えさせられる。

このユゴーの「九十三年」は、フランス大革命期(18世紀末)のヴァンデの乱に取材した叙事詩と言っても過言ではない。

「革命の際には、一本気ほど恐ろしいものはない」と綴られている。社会変革には当然、強固な意志が不可欠だが、武力を手段とする限り、進歩的な思想をも抑圧と恐怖の道具としかねない。

ユゴーは、その逆説を指摘しつつ、革命の実像を隠すことなく描いて訴えた。

「わたしは悲惨というものを根絶したいのです」。

暴力や恐怖によらない『人間の良心を復興させる革命』を願って筆を振るったのだろう。

翻って、我々が目指し往く人生行路は、生命の変革を目指す偉大な運動であるに違いない。一人の人間が、妬みや偏見を捨て、胸中の希望に目覚める。これ以上に崇高な「革命」はない。

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